「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」感想

27作目の映画です。
今回は怪盗キッドと平次さん回でした。
北海道の富豪、斧江家の所蔵する刀に
怪盗キッドの予告状が舞い込む。
刀は土方歳三に由来のあるものだった。
北海道に訪れていた平次が怪盗を阻止するが
程なく男の死体が路上で発見され…というあらすじ。

今回も楽しかった。さすが日本有数のドル箱コンテンツです。
今回はパズル要素強めかな。いつもよりコメディ要素多め。
脱出ゲームとか、謎解きイベントに参加してるみたいでした。
いつもの冒頭のあらすじ解説、今回は和風!

わりとちゃんとシリーズを追っている人は
早めに見に行ったほうがいいと思います。
コナンにしては流血表現きつめだったので怖がりのお子さん注意。

ねたばれ

映画が終わった後、いつもと違う雰囲気で
ざわ…ざわ…ってしてた。初日はガチ勢が多いからね。
いやまさか今、本誌より先に、
こんな大きな設定を出してくるとは思わないじゃない。
それにしても大丈夫かな…こちら側が強くなりすぎなので
バランスをとるためダークサイドに与することになるのでは?
GOSYOユニバースの始まりを目撃しているのでは?
本誌バレですが、今週青子さんのお母さんが登場なさったので、
全部が布石に思えてくる…。
(今後青子さんのお母さんVS蘭さんのお母さんはあると思ってます)

それは置くとして、負傷した中森警部に対して
動揺して少年の顔に戻るキッド、
あの瞬間全国の女児のハートを盗んだな…。

今回は猫の子みたいに掴まれたり運搬されたりしたコナンくん、
終盤は突然の予算一点集中作画の向上とともにビシッと決めた。
キラキラしてきれいで格好良かったよ。

飛行する物体のうえで、腕力でその推進機能を破壊するの、
キャプテンアメリカが2作目の映画でやってたけど
平次さん、危ないからやめなさい。君は一応普通の人間でしょう。

女子たちがかわいいだけで本筋には関係ない、
または阻害する存在じゃなくて、
皆それぞれ知力を見せるところとかとても良かった。
紅葉さんとか、ごめんな実はあまり好きではないんですが
今回は完全にコメディ担当で好きにならずにはいられなかった。

ただならぬ雰囲気を醸し出す、妻子持ちの男性2人がいた気がしたが
最後のあれでちょっと印象が吹っ飛んだ。
えっでも(思い出し)2人でキャンプとか行ってたの…?
あと雇い主の信頼を裏切ったから死んでもいい、って
処し判定厳しすぎない?その基準でいったら、
日本の人口3分の2くらいに減っちゃうよ。

すごい気持ち悪いゆるキャラがいて、クトゥルフかと思った。

あのお宝は観光資産になるような気もする。

 

「オーメン ザ・ファースト」感想

知り合いの枢機卿の計らいで、
イタリアの修道院にきた修道女見習いのヒロインは、
やがてその修道院の奇妙な部分を目撃し、
陰謀に巻き込まれていく…というあらすじ。

オーメン」前日譚です。
エクソシスト続編が、ほーん…って出来栄えだったので舐めてたけど、
こちらはなかなかよかった。
恐怖表現はクラシックな感じで、
無印リスペクトのオカルトホラーです。
どっちかといえば悪魔より人間の狂信が気持ち悪い。

げろがあります。
当然ながらグロテスクな出産シーンがあるので苦手な人は注意。
眉毛のキリッとした美女が複数出てくるので、
眉毛好きの人におすすめ。
画面いっぱいのモザイクがあるので、
モザイクを見ると興奮する人におすすめ。

ねたばれ

死に方に無印リスペクトが感じられた。
ブレナン神父、あれを見たならなんで素早く避けないんだよ!

アンチキリスト誕生は、悪魔崇拝者によるものではなく、
キリスト教の威光が失われつつあるのに焦った熱心な派閥が、
民衆の信仰心を取り戻すために行ったことだった!という設定。

最初は統合失調症の話になるのかなと思いましたが、
リプロダクティブ・ライツの話でした。
侍女の物語」とか思い出した。
男児誕生でみんながワー!ってなって、
女児はゴミみたいに誰も見向きもしないあたりで、
「あれ?女性監督?女性脚本?」と思いました(女性監督でした)。

本編進行の裏で、教会の追撃をかわしながら
3人で暮らした美人家族がいました…めでたしめでたし!
という意外にほっこりする終わり方だった。

どうでもいいですが、女性器から悪魔さんコンニチワするシーン、
画面全部モザイクで悪魔さんだけ切り抜かれちゃって、
面白いジャポニカ学習帳みたいになってて笑ってしまった。

どうでもいいついでに、私はオーメン4をたぶん見てない…。

 

クローズアップ現代 「果てしなき“問い”の先へ 映画監督クリストファー・ノーランの世界」


出演交渉に2年かかったそうなので、
これが最後かもなーと思いながら見ました。見てよかった。
渡辺さんが監督を評して
「本当によく分かんない人」と仰っていてニッコリしました。

1作撮ると疑問がわき、それが次の作品の核になるとのこと。
TENETで生じた疑問は「それが発明されなかったことにできるのか」。

核兵器を減らすよう政府に常に圧力をかけ、
危険性を認識することが大切です」と発言しつつも、
「メッセージありきで自意識過剰になると観客を失いかねない。
(作品で)メッセージを伝えようとは思わない」と。
いまの時流でそれが言えるのは相当な強さがないと無理だ。
それと
「映画があまりに知的すぎると観客の没入を妨げてしまう」
ともおっしゃっていたが、
一度、知的なやつをやっていただきたいものです。
果たして何割の人が理解できるのか…。

オッペンハイマー」ではどんな疑問が生じたのかを尋ねられ、
「考える余裕はまだない」と答えられたのだが
さすがに笑顔に疲れが滲んでいるように私には見えた。
そこが非常に良かったですね。

 

 

「天號星」劇団☆新感線 感想


非道を働く悪を始末する引導屋は
表向きは口入れ屋の大店、藤壺屋として商いをしていた。 
その元締め半兵衛もまた表向きの主人で、
実質の采配は妻のお伊勢が取り仕切っていた。 
心根の優しい半兵衛だが、
江戸に流れてきた凄腕の人斬り、銀次に命を狙われることになり、 
そのうえ二人の体が入れ替わってしまい…というあらすじ。

主人公とヴィランの体が入れ替わってしまうという、
わりと珍しい冒険活劇です。

古田さんの身代わりを早乙女兄弟が演じて
代打のアクションをされるのを観るのはこれで2回目だけど、 
古田さんの負担を軽減しつつ、 
早乙女さんを殺陣も笑いもどちらもできる役者に
育てておられるのかな?と思ってます。 
兄弟のどちらかを新感線がもらい受けちゃうのでは…。 
今回は細かく細かく笑いが入って、 
にぎやかな明るい舞台だった。
アクションも、本格的にできる人の見せ場が多くて
見ごたえがあった。

内容ばれ

いぶき役の山本千尋さん、
太秦ライムライト」からの、
「鎌倉殿の13人」トウなど、
昨今珍しい、本格アクションのできる女優さんなので、
ニチアサレギュラーで生身のアクションをされるか
MCUに引き抜かれてほしいです。
(封刃師の役名と同じ「いぶき」なのは
脚本中島さんの遊びなのかな?)

山本さんと早乙女さんの殺陣、
早乙女兄弟の殺陣は早くて良かった。

ヴィランのことを宿敵と狙う快楽殺人者が現れ、
果たして自分が執着しているのは、 
相手の心なのか体なのかと自己問答を始めるのは
知らんがな…(笑)という感じでした。
セクシーなの?キュートなの?どっちが好きなの?

最後のご挨拶映像が早乙女兄弟でしたが
ずっと2人ともキツネ系のお顔だと思ってたけど
全然そんなことなかった。メイクってすごいわ…。

 

ところでゲキシネ26作品一挙上映企画があるそうです。
http://www.geki-cine.jp/20th/tour.html
私のおすすめは髑髏城の七人アオドクロと蛮幽鬼

天海祐希さん無双が見たい人は薔薇とサムライ、
修羅天魔 ~髑髏城の七人 Season極。
ブロマンスが見たい人は神州無頼街、狐晴明九尾狩。
虚無が好きな人は朧の森に棲む⻤、蜉蝣峠阿修羅城の瞳2003。

 

 

「インフィニティ・プール」感想


ブランドン・クローネンバーグ監督
海辺のリゾート地として人気だが貧しく治安の悪い国リ トルカ。
そこへヴァカンスに来た小説家とその妻。
しかし彼らは過失で犯罪を犯す。
リ トルカの法では死刑であるが、クローンを作って身代わりにすれば
刑を免れると知った小説家は…というあらすじ。

嘔吐、放尿、薬物接収、アブノーマルな性行為あり。
成人男性への執拗な暴行描写あり。
性器がボロンする。
メッタ刺しあり。頭部破壊とかあり。
残酷描写はホラー映画と同等くらいです。

美しい肉体を持つ白人男性がひたすらに酷い目に遭わされ、
破壊される映画です。
シャマランの「OLD」と
マルキ・ド・サドの「悪徳の栄え
リドスコの「悪の法則」
を足して割ったような…。

内容ばれ

うーん、奥さんが退場してくれて安心しました。
リ トルカ国民を有色人種にしない常識を持ち合わせてくれてありがとう。
しかしあの国、文明国ではないような扱いだけど、
クローン技術だけ発達してるのはどういうアレ?
臓器とか皮膚とか売ってボロ儲けではない?
カズオイシグロ氏の例のあれみたいな…。
あと脳を焼いた奴隷産業で天下とれるのでは?

最近アレクサンダー・スカルスガルド氏と
アニャ・テイラー=ジョイ氏主演の陰惨な映画を見たばかりですが、
全然違うわ!全然違うわ!振れ幅でかすぎるわ!

強く圧倒的な男性の狂人が凶行に走り
女性をめちゃくちゃにする作品は結構数あるけども、
能動的で狂った女性の悪人(狂人)を
強く圧倒的な存在として描いているのは珍しいですね。

ものすごく言ってほしかった言葉をくれるひとが人生に突然現れたら、
最大レベルの警戒をしなさいよね…。
大ババ様から言えるのはそれくらいです。

 

 

「成功したオタク」感想


様々な努力のうえ、推しに認知される存在だった監督は
「成功したオタク」だったが、
推しが集団性暴行、性行為相手の了承なく動画を拡散する、
などの罪に問われ実刑判決を受ける。
苦しんだうえに彼女は同じファンの心情をインタビューした
ドキュメンタリー映画を撮影するというあらすじ。

推しをかばう派閥と、社会倫理順守派の、
血みどろの殴り合い、心を抉るような内ゲバ世界を想像していましたが
そうでもなかった。
というのも意見を述べる女性のほとんどが
倫理優先派で、女性にひどいことをするのは許せない、
という立場だったからです。
それが韓国の女性の倫理観の高さによるものか、
監督の選別なのかは分からない。
とりあえずインタビューされた女性たちは
「死んでほしい」
「刑が軽い」
「当然ファンはやめる」
というひとばかりでした。

日本でも、組織ぐるみの問題行動、
ジャニーズや宝塚、
あるいは2.5次元俳優の暴力事件、
松本人志さんの性暴力事件、
似たような事例が起こっていますが、
芸能のかたは一般人とは違う、被害に遭ったひとに隙があった、
被害に遭ったというのは本当なのか、ファンが支えなければ、
という考え方の人が意外に多くて、
「きちんと捜査を受け、有罪となったら罪を償わなければならない」
という考えのひとは多数派ではないように見える。日本は。

内容ばれ

被害を告白した人が死を選ぶまで叩きまくったり、
あるいは松本さんの「一日も早くお笑いがしたいです」
というSNSのポストに対して
現時点で88万のいいねがついているのを見て
いまって日本の人権教育は
どんな感じなんだろうと不安になっていたところなので、
スターがちゃんと逮捕されて実刑判決を受ける韓国のほうが
健全ではないかと思う。

でも推しが犯罪者になっても、
推していた時間や仲間が無になるわけではないし、
お宝1つ1つの思い出は消えない。
財産が消えるのとはわけが違うと思う。
ただ作中でも言われていたように
最初からそういう人だったのか、
人気が出てそういう人になってしまったのか、
つまり自分の支払ったお金が犯罪者を作る元になったのか、
についてはやはり考えてしまうだろうな。
生身の人間は推さない、二次元を推すぞ!と思っても
作者が犯罪に走る可能性がある。
常日頃から、どこまでなら許せるか、どうなったら見放すか、
考える習慣をつけておくのはいいと思います。
あと「今、自分は正常な判断ができる状態か」、
問いかける癖も。

しらふで話せるかよ!のシーンには共感したし
ヨーグルトマッコリってこうやって作るんだ…という学びがありました。
笑ったけど、長いでしょう一連のあのシーン(笑)

結末部分は若干優等生的だと感じた。
もっと荒れ狂ってもいいぞ!

 

色々感想

呪術(ジャンプ掲載)
そういえば呪力は日本人にしかないって設定ありましたね。

この作品のなかで特別に強く、性格もそれなりに強めの五条先生が
人種のステレオタイプ的理解について謝った。
教育的にとてもよいと思う。

ウイッチウォッチ(ジャンプ掲載)
女子8人会。
作画コストがすごそうだけどめちゃくちゃ楽しそう。
全員美女。

 

きのう何食べた(モーニング掲載)
8割くらいの女性はこれをやられたら怒ると思うけど
シロさん全く怒りの感情がなさそう。
男性だからかな?でもまあおめでとうございます。

 

VRおじさんの初恋(ドラマ)
実写ドラマがやっていることに気付いて観た。
VR部分も実写なのか!
おじさん役が野間口さんなのだが
ちょっと努力すれば現実社会でいくらでも幸せになれそうに見える。
原作のおじさんは、こう言っては何だけど
ルックスも、お仕事も、もう詰み掛けていて
今からでは挽回できない感じがあった…。

 

光る君へ
三郎~。こいつめ~。

父には父の価値観があるんだよな。
否定的に描かれている訳ではない気がします。
それにしても国会議員の三親等以内の親族の出馬を
禁じる法律を作っておけばよかったかもですね。