ローマ法王の急死により教皇選挙が執り行われる運びとなったが、誰も知らなかった新たな枢機卿の存在、明らかになるスキャンダル、陰で行われる密談、駆け引き、等々、事態は困窮を極める…というあらすじ。2016年の同名小説を映画化。
「裏切りのサーカス」脚本ピーター・ストローハンが脚本を書いているので、空気は静かで重く、画は美しい。裏サーが好きな人は観るといいと思う。裏サーよりはややエンタティンメント寄り。なおかつ破壊的。
仕事で調整役をやっているひとは胃が痛くなるかも。ローレンス枢機卿の呼吸の音がずっとしているのだが、彼は教会への信頼をなくしつつあり、上司(故法王)への尊敬だけを頼りに義務を果たしているが時折とてもつらそうだった。
法王候補の顔と名前を覚えておくと、票の推移が分かるのでより面白いかも。
ラストばれ
買収って弱みを握られるのも同然だし、そんな馬鹿な…と思ったけど、そもそも買収を避けるためにコンクラーヴェがあるのか。買収を防ぐ新ルールが必要な気がする。
30年前のたった1度の過ちで…のおっさんは、「他の性スキャンダルあるんとちゃうん?」
という匂わせで黙ったので、あるんでしょうね…。べそべそ泣いてたシーン、聖職者とは…と考えてしまった。
テデスコ枢機卿、いま必要とされているのは獣どもと戦える強いリーダーだ、と演説して拍手が起こったが、アニマルって言ったのでびっくりしてしまった…。
これテロリストは白人のキリスト教徒ですよってローレンス枢機卿が最後に言って、彼が法王になるラストかと思ったが違った。更にもっと、ある意味過激なラストだった。私はカタルシスを覚えたが、カトリック保守層的にはどうなんだろう。
ローレンス枢機卿が故法王の予測通りに動いて最良の結果となり、彼自身も教会への信頼を少し取り戻せたようなのは良かった。現実でもあんな風に収まるといいんですけど、でも全員が納得する結末などないからな。

