プラド美術館


マドリッドプラド美術館へ行ってきました。 
これまでも日本のプラド美術館展には足を運んでいますし、 
ドキュメンタリー映画プラド美術館 驚異のコレクション」も見ています。
それでもやっぱり「ウワー!全部そろっているー!」
という迫力にはびびりました。
ベラスケス、ゴヤエル・グレコ
湯水のように豊かに、じゃぶじゃぶとある。 
ルーブル大英博物館のように宇宙的な展示数ではないので、 
疲労困憊して集中が途切れるということもなく、 
また一種の傾向があるので、非常に見易い美術館でした。 

私の目当ては「快楽の園」とゴヤ。 
そもそも美術を本格的に勉強したわけではないので、 
本物を見ないと分からないという主義でもないのですが 
(印刷技術が素晴らしいので) 
「快楽の園」は現物を見て印刷技術の敗北…と思いました。
まずでかい。想像の4倍くらいあった。 
あと印刷物では中央の桃色の淡さが出せず、
右側は黒さがでていなかった気がする。
中高生の頃に美術の教科書で見て以来ずっと好きな絵だったので、
喜びもひとしおでした。

さてゴヤゴヤとベラスケスは人気なので
何度か日本で見ましたが
ここでは「黒い絵」だけを集めて薄暗い一室で展示してあるので、
これ感受性の鋭い人は中に入れないのではないか?
という圧があった。 
鈍い私ですら「ウッ」って思ったのだから相当です。
ゴヤが宮廷で描いた普通の絵をずらっと見て
「このひとは左右対称の普通の顔を描くのが苦手、
もしくはあまり好きではないのでは?」
と思っていたのですが、 
「黒い絵」はパワーに溢れており、圧倒的に強いと感じた。
病と死別と政情不安定に対するゴヤの鬱屈がこめられているそうだけども。 
でもドレスを着て横たわる美女の絵とか、 
これ描ける人ほかにもたくさんおるのでは?という感じですし…。

そういえば後世の画家が、
リスペクトする過去の巨匠の構図を真似て描く風習があって
並べて展示してあってよかったですね。 
どっちも上手い、どっちも上手いけど強いて言えば…みたいなの。