「なまなりさん」感想


ネットで、高評価を見かけて読んでみたホラー小説だが、
まったく怖くない上になんとなく腹立って終わった。
色々な人の感想が届きやすくなったので、自分で情報選別する必要を感じました。
(ホラー小説を5冊読んだ人の「すごく怖かった」 と、
ホラー小説を500冊読んでいる人の「すごく怖かった」は違うので、 
自分に合っている方を選ばないといけない的な) 
なので知らない人の評価は指針にしないほうがいいんだけど
すぐそれを忘れてしまう。

幸せなカップルがいたが、
男性に横恋慕した美女に嫌がらせを受けた女性が精神に変調をきたして失踪する。 
やがてその確執が恐ろしい呪いを生み出す…というあらすじ。 
呪いの発端となる事件も、祟りの現象も、
いまひとつもっさりしているので「残穢」を読んだほうがいいように思う。 

内容ばれ反転

哺乳類の首ってそんな正気の一線を切るかなあ…?
田舎はカラスが食べかけの哺乳類を庭に置いてくし、
仕事でヤクザの相手をしていた時は
今日こそは入り口に猫の死体があるか、
明日はどうだと思ってたし(結局猫の死体は置かれませんでした) 
呪い自死するくらいなら、 
相手の家にネズミの死骸10匹分を投げ込む方が
まだやり易いと思うんですがどうだろう。

あと気になったのは、 仏壇から怪異が起こるパターン。
一応仏壇は簡易の極楽浄土アクセスポイントという体裁のはずなんだけど、
作中の呪いは仏教の理をすべて無効にしているということ?
だとするとお経も塩もお香もなんも効かんよな?
私はホラーにもある程度の制約があるべきだと思っていて、
そうでないと「呪われた人は渋谷の交差点で白昼堂々爆散しましたおしまい」
みたいになって怖くないからです。 

あときちんとした制約をかけるには法則性が必要なんだよねやっぱり。 
さすがに作者さんはもう文筆業はされてなかろうと思って調べてしまいました。 
書いておられないようだったので満足した。

今日はミステリ作家殊能先生のお誕生日です。生きておられたら還暦!