「怪のはなし」感想


加門七海さん

こわい話が読みたくなっての読書。
大変満足しました。
加門さんが実際に体験されたような、
創作のような、そんな感じのお話。
日本の怪談としては小野不由美さんと加門七海さんの作品が好きですが、
ディティールが効果的なんですよね。
細かすぎず、一番重要で印象的なところだけ、
エイヤッと決まってる。

ふと考えると、いまの若い人に、
この実録風怪談小説ってどうなんだろう。
見える女性独特の師匠っぽい感じが、もしかしたら受け付けない?

内容ばれ

秘仏のお話が好きですね。
修行に来た霊能師だと勘違いされる経緯がいい。
それと白木の像の目が真紅という色彩が素晴らしいと思います。

あとシベリアから来たシャーマンが、
パフォーマンスとして死者を呼ぶ歌を歌ったら、
ちょうどお盆の時期で、収集がつかなくなって退場したというお話も好き。

逆に末尾の方にある道の話は、
残穢という怪談のヘビー級ボクサーみたいな話がのちに出て、
私は先にそっちを読んでしまったので、
残念ながらあまりインパクトを感じなかった。

関係ないけど2021年に呪術廻戦絡みの本を出しておられるのを初めて知りました。