「わたしの幸せな結婚」感想


ネット閲覧をしていると無限に出てくる
「義理の、または実の妹に虐待されながら暮らしている、
心の優しいヒロインが、身分もマネーも美貌も揃った男性に見初められることにより
一発逆転して幸せになる」という内容の漫画の、たぶん大元?なんだなと思って鑑賞。

明治っぽいが現実世界とは微妙に違うアナザー日本で、
異能を輩出する家系に生まれながら能力を持たずに生まれたヒロインは
能力を持って生まれた義理の妹と後妻の母に虐待を受けながら暮らしていた。
しかし名家の子息である男性と婚約したことから、運命が変わる…というあらすじ。

塚原あゆ子監督
菅野友恵脚本
顎木あくみ原作
邦画ですべて女性(?)が揃うのは珍しい。
塚原あゆ子さんは
「アンナチュラル」、「グランメゾン東京」、「MIU404」、
「石子と羽男-そんなコトで訴えます?」で演出されてますね。
原作は、なろうから富士見L文庫により出版。
LはラブのLかと思ったが、文芸とラノベのLなのね。
あと富士見書房ブランド、なくなって角川に統合されたのか。知らなかった。

内容ばれ


ロケ地巡り
https://www.kankomie.or.jp/report/1415#6-2
いい建物が使われていました。

後続作品をたくさん生み出すだけあって、面白かったです。
酷い環境で育った、心優しく清く、実は美しいのに自己肯定感の低い娘が
王子と出会って幸福になるシンデレラストーリー。

個人的にはヒロインの能力は最強だと思うので
ぜひ使いこなして能力バトル編に突入してほしいものです。
(もしかすると原作は続巻でバトルが展開してるかもですが)

以下この映画とは直接関係ない
日本で受ける物語の類型の話なので
作品のファンの方は読まれないほうがよいです。

男性向けでいうところの、
役立たずだと追い出された俺が実はすごい能力者だったやつの女性版。
男性版と比べると、屈辱を受ける期間が長く、虐待描写が詳細だという所と
逆転のキーが上昇婚にあるところに特色がある。

私は常々、アジア人は苦しみ自体に価値を見出す文化があって
特に女性と子供の苦しみにエンタテインメント性を感じがちなのでは…?
と疑っていて、それにはうっすら危機感を持っています。
(自分も含めて)
(猛暑の甲子園や、素人を走らせる24時間テレビ
痛みがなく安全な施術があるのに導入されない婦人科、
完成されたプロの技術より未熟なものを見たがる、
未成年が苦難に遭うフィクションの人気が高い、等々)