監督が「カメラを止めるな!」現象を
意図的に引き起こそうとして成功なさったと聞き視聴。
長州藩士の暗殺を命じられた会津藩士の主人公は、
闇討ちを果たそうとするが、激しい雨とともに起こった雷に直撃し、
現代の日本、太秦映画村にタイムスリップしてしまう。
現代の知識が何もない主人公は、
せめて剣術の腕を生かして時代劇の斬られ役として身を立てようとするが…
というあらすじ。
カメ止めに比肩する脚本の独自性があるかといわれると
残念ながらそうではないけど(サムライせんせいや満月など、ジャンル先行作品がある)、
邦画大作に引けを取らない完成度でした。
いくつか福本清三先生ねたがあるな…と思ってたら、
そもそも剣心会の師匠役は福本先生にオファーが行く予定だったけど、
亡くなってしまったのでお弟子さんが引き受けなさったのだそう。
(最後の献辞も、もしご覧になったら絶対恐縮されるので
バレないよう英語で書いたとのこと)
嘔吐シーンがあります。
ねたばれ
主人公の朴訥な喋りと演技が本物っぽかった。
フィクションに大大大感動するところ、
初めて雪を見るねことか、
初めて海を見た幼児とかを見守っている気持ちがした。
ごはんエピソードが特にいいんですけど、
(磐梯山の雪のように白い) おにぎりをとてもおいしそうに食べるので、
おにぎりが食べたくなりますね。あとケーキ。
残念ながら主人公は酒を飲めないので
お酒はあまりおいしそうではない。
戸籍はまあなんとかなるそうなのですが、
ワクチン関係は大丈夫なのかと心配になった。
きっとほかにも色々苦労があったろう。
ところで関係ないが、中打ち上げで
真剣な顔をして手を握り合っている2人を偶然見たひとは、
大抜擢のことなどを関連付けて「なるほどな」と邪推したと思います。
ヒロインさん、めちゃ眼鏡がお似合になる年齢不詳の美女。
本当に映画内のように助監督も兼ねておられるそうです。
大変だ。監督も1人10職以上兼務なさったうえに、
資金調達で車を売ったそうですが…。
1点だけ文句を言うと、真剣を使うことを
制作の本気度や純粋さの表れのようには表現しないでほしい。
我々観客が見たいのは作品であってスナッフフィルムではないのです。
あと真剣を使ったせいで斬られ役のかたが亡くなった事故が過去にありました。
(この映画では監督がかなり変な人描写されているのとあとビンタでバランスをとっている気はする)
この作品とは関係ありませんけど、
アクションでも性行為でもサイコホラーでも、
本物のほうが凄いから役者を痛めつけるというのは創造の敗北だと私は思います。
(舞台でもそうです)
ロケ地、知らない寺社仏閣の名前が多くあって半分以上読み取れなかった。
最初の出会いは亀岡の龍潭寺。最後の対決、境内は甲賀の油日神社。
あと妙心寺。主人公が入院していたのはムツミ病院介護医療院(たぶん)。
映画を上映していたのはイオンシネマ大日らしい。