「クレイヴン・ザ・ハンター」感想

SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)6作目の映画。
反社組織の統領である父をもつ兄弟は、学校の寮から突然タンザニアに連れていかれ狩りを仕込まれる。ライオンに襲われた兄は生死の境をさ迷うが、通りすがりの少女の与えた秘薬と、ライオンの血によって復活する。兄は悪を狩るハンターとして目覚め、以降社会悪と戦うが、ある日弟を誘拐され…というあらすじ。

兄と弟がものすごく愛し合っている。弟を取り戻すために兄がウォォォォ…!ってなって、敵が「えぇぇ…」ってなるシーンがすごく多い。すごく多いと聞いて人が想像する尺の3倍はある。
監督の過去作品をざっと調べた時、社会派映画が多かったので、今回も環境保護とか系の内容になるのかと思っていたら兄弟愛映画で、ずっこけた。いい意味で。
SSUっぽい、ちょっと変なんだけど嫌いになれない映画でした。
動物に変化するヴィランとかと戦うスーパーヒーローものの面を保ちつつ、父と兄と弟が憎み合いながら愛し合っている。(ロシア文学?)

ラストまでばれ

シャワーから出てきた成人の弟を隠れていた兄が突然後ろからハグして驚かすって、露系英国人にはよくあるんですの?
兄は行かないでほしいと哀願する弟を置いて行ったという負い目があり、弟は妾腹で父は兄にしか期待していないという絶望がある。父にとって長男は自分と同種の、もしくは自分を越える存在である。

毎年兄が誕生日を祝いに来る理由を弟は知っている。自分を置いて行った罪滅ぼしを兄はしている。
父は、自分は次男を見放さなかった。見放したのは長男だと責める(でも2000万ドルくらい払たれやマフィア)。
長男はもはや人工物のなかでは生きられない。木々や土のあるところでないと眠れない。

最後、父からの贈り物を身に着けた彼は複雑な顔をしていた。殺した身内の遺骸の傍らの椅子に座る皇帝の絵画のようだった。

関係ないけど自死した者には葬儀をしないってどこの風習だろう?ロシアかな?って検索したら、Googleくんに心の相談窓口を案内されてしまった。いや、違うからね。お母さんは空気だったね、この映画。マフィア仕草なのかな?
それと帰ってからパパ・レグバについて調べたが、十字路を司るゲートキーパー的な神または精霊なのだそう。続編があれば掘り下げられたのかも。

この6作目でSSUはいったん白紙に戻されたそう…残念。
ヴェノム(異種族同士の愛)、モーヴィウス(子供の頃の友達に執着されて困ってます)、マダムウェブ(女子ヒーロー3人と綺麗なお姉さん)、クレイヴン(愛する弟は俺が守る!!!!!)とかいうラインナップで、嫌いになれない感じだったな…。