「どの口が愛を語るんだ」感想


東山彰良さん

残念ながら私には合わなかったようです。

猿を焼く
田舎に憧れた両親に連れられて引っ越した少年。
そこで出会った美しい少女、
狭く閉塞した社会…という内容。
「地方都市で、それ程裕福でもない家に生まれた
容姿の美しい女は不幸である」という話を以前聞いたが
まさにそういう話。
主人公が奮起し、戦う理由になるために死ぬフィクションの女のことを
「冷蔵庫の女」というが、
主人公の苦い過去、大人になるための階段、
ニヒリズムのために死ぬ女はどう呼べばいいんだろう。
まあ仮にハルキの冷蔵庫の女とでも言っておくか。

イッツ・プリティ・ニューヨーク
若い性衝動、
美しい年上の少女の誘惑…というような内容。
猿を焼くと同傾向の話なので、違う短編集に入れたほうがよくないか?

恋は鳩のように
イカップルの男性2人、その片方に恋をする女性、
恋愛模様が交錯する…というような内容。
ゲイ男性が、
人と違う自分を演出するために同性愛者だった部分があるので、
同性婚が認められたら同性愛者である意味はあまりない、
という自己分析をするのだが、
これ舞台は台湾だけど、同性婚が認められていない日本で出版して
作者のかた、刺されたのでは?と思って調べたら刺されておられなかった。

ルブタンの靴の値段を調べました。
まあ確かに1日で駄目になったらつらいかな。

無垢と無情
ゾンビパンデミック世界で生き残った人々の交流。
ゾンビパンデミックはCOVID-19をもとにした発想なのだろう。
男性主人公が全員ヤレヤレニヒル系である。